「相互扶助:贈り物という考え」
ケア・カフェには「相互扶助・贈り物」という考えが底流しています。ケア・カフェは国が・・・、厚生労働省が・・・、行政が・・・、〇〇協会が・・・推進しているからする、という会ではありません。また、例えば企業が自組織のメリットをふまえて(表向きはそう言っていなくても)行う会でもありません。これらの形式で作られた会が全て悪いわけではありません。
しかし、義務的な面が無視できなくなったり、市場経済の論理に取り込まれてしまうため、職種や役割を超えて相互交流による自由な意見交換をする場には馴染まないのです。
ケア・カフェはあくまで医療者・介護者・福祉者が自発的に集って創り出される会であることが大切です。
イメージとしておばあちゃんの井戸端会議を思い出してください。井戸端会議は誰からともなく一所に集まって、約束したわけでもないのに各々が食べ物を持ち寄ったりしますよね。その時に「私の持ってきたものは〇〇円のものなのに、あの人のは〇〇円だわ」という計算をしているわけではないでしょう。(中にはそういう人もいるかも分かりませんが・・・)なんとなく相互に贈り合いをする関係性の中でバランスを取っているわけです。
カフェで贈り合うのはお金に換算できる物だけではありません。準備や片付けのときテーブルを動かす労力、相談に対して真摯に答える態度、討論がうまくいくような配慮、これらも贈り物です。
場所を提供できる人はそうする。お金を出せる人は少額出す。お茶を持って来られる人は持ってくる。料理が得意な人はクッキーを焼いて持ってくる。それらができない人は代わりに会の参加態度で示す。こういったバランスのもと人間関係が培われていく会であってほしいと思っています。コーヒーやお菓子などは持ち寄りをモットーとしています。
会を開けばゴミも出ます。これは当番で持って帰ることにしましょう。これらも贈り物の一形態ですね。